現在自身で所有している土地や、相続した土地があるけれど、「使わないから解体したい!」と考える人や「売却したいけど税金がいくらかかるんだろう」と思いなかなか実行に移せない人もいるかと思います。
解体後の土地を売却する際に得る所得のことを「譲渡所得」といい、譲渡所得の金額に対して所得税、住民税を支払う必要があります。
譲渡所得は以下の計算で算出されます。
譲渡所得 = 売却価格 - 取得費(購入費用) - 譲渡費用(売却時に生じた費用合計)
相続した土地や昔からの土地で取得費が不明な場合もあるのですが、そのような場合「売却価格の5%」が譲渡所得として計算します。
そして、解体前が居住用である場合譲渡所得から3,000万円の控除が受けられる特例がありますが、解体後の土地だけの売却だと特例には当てはまりません。ですが、下記に紹介する条件に当てはまる場合特例を受けられます。
解体後の土地売却でも譲渡所得税の控除が受けられる!
原則として家屋解体後の土地売却に関しては譲渡所得から3,000万円の特別控除は受けられませんが、以下の条件に当てはまる場合だと譲渡所得から特別控除を受けることが可能です。
“(1) 家屋を取り壊した日から1年以内にその敷地を売る契約をしていること。
(2) その家屋に住まなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに譲渡すること。
(3) その家屋を取り壊してから、その敷地を売る契約をした日まで、貸付けその他の用に使用していないこと。
引用:国税庁
上記から、解体後の土地売却に関しても特別控除を受けることが可能です。特別控除額は3,000万円ですので譲渡所得が3,000万円以下であれば確定申告により所得税などはかかりません。
注意点として、建物の一部だけ解体した場合など残った部分に人が居住できると判断された場合だと特例は当てはまりません。
相続した土地や空き家は譲渡所得税が減税される
古くからの空き家や土地を相続したけど住む人もいなければ使い道もないから解体して売却しようと考えた時に税金問題があります。しかし、平成28年に税制改正がなされ、相続した空き家などの解体や売却の際所得税が減税される制度が新設されました。
相続して空き家となった家を解体し売却した場合、売却で得た利益から3,000万円を差し引いた金額に譲渡所得税をかけるという特例で、適用となる条件は以下の通りです。
- 昭和56年5月31日以前の旧耐震基準で建てられた家屋
- 相続開始前、被相続人(亡くなった人)が一人暮らしだった家屋
- マンションなど区分所有建物ではない場合
譲渡の条件
- 平成25年1月2日以降の相続で、相続時から譲渡まで使われていない
- 耐震改修を行い新耐震基準を満たす。家屋の全部を解体し更地として売却する
- 譲渡価格が1億を超えない
- 確定申告に各種書類の用意をする
- 相続から3年目の12月までに売却をする
ここまで紹介したように建物の解体を行った際にも節税が可能となる特例がいくつかあります。状況により特例を受ける場合受けない場合の差額はかなり大きいものになるでしょう。
自身の状況を考慮し解体、売却を検討している人は節税につながる方法を選択しましょう。